松崎さんのお話。
息子さんの裕斗さんが出生されて
耳が聴こえないので訓練に取り組もうとしたときに
キューサインを使う方法について
「『発音したこともない子が、口の形をもとにしたサインが
わかるのだろうか?』と疑問を抱き、言語の獲得はそんな方法ではない。
まわりに、聴こえる子が普段生活の中で話しかけられるのと同じ
量の視覚言語のある空間を用意しようと思い
そのためにあらゆる努力をしてきたけれども
それは至難の業だった。
楓には、ずーっと求めてきたそういう環境がある」
と、実体験を一つ一つ紹介しながらお話してくださいました。

裕斗さんも参加して、堂々のお話をしてくださいました。

裕斗さんは、出生児非常に重篤な状態で生まれ、歩けるようにはならないかも知れない
と宣告されたお子さんです。体のことはもちろんですが、
今日のフォーラムの主役としての役割を理解し、参加できるその姿は
通常の中学生の姿でした。
お母様の努力と、楓という環境があったからこそ、と思いました。
午後、各事業所の動画を基に実際にどのような活動が行われているか
どんな、子どもどうしのやり取りが展開されているか
紹介されました。


終わって、村上が思ったのは
子どもの世界でひろがりを持つ手話表現がまだまだ乏しいのではないか・・・
という疑問です。
おもちゃ一つとっても
大好きな プラレール、レゴブロック、それらは指文字で個別化している状態です。
遊びの中からたくさんの子ども手話が増えて定着したらいいな
そうしたら、産まれて医療機関に寝たきりで治療を受ける毎日の中でも
お母さんや看護師さんが目を合わせて、いろいろな語りかけをするようになったら
ろう重複の児童にとって、沈黙の混沌の世界から抜け出し
ようやく言語環境が、公平になったということになります。
いつの日か・・。